年末商戦と春節前後、そして通年の輸出ピークを見越し、目標店頭日から逆算して発注→試作→量産→通関・船積みを並走させます。製造15〜45日に対し、ピーク期の+2〜4週のバッファと週次ロック(ローリング)で遅延リスクを吸収します。この記事はその実務プレイブックです。
まずは“7つの即実践ステップ”
1) 目標店頭日を確定(棚割り/ローンチ日)
2) 第4四半期末までに図稿/包装を校了
3) 1〜2月に発注書/前払、初品承認を3〜7日でクローズ
4) 構造別の製造日数(15〜45日)+印刷/包装の上乗せを見積
5) 3〜6月/8〜10月は2〜3+週前に船積み予約
6) 週次ロック&段積み生産、品質管理ゲートを厳格化
7) 搬入締切を常時確認、到着予定日に+2〜4週を計画
いつが“本当の繁忙期”で、なぜリードタイムが伸びる?
繁忙は二波:年末商戦と春節前の10〜1月、春節後の巻き返し3〜6月です。輸出ピーク(3〜6月/8〜10月)でスペース/搬入締切が締まり、出発予定日/到着予定日に+2〜4週の遅延が乗りやすくなります。
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10〜1月:ブラックフライデー/クリスマスの尻取り+春節前の駆け込み生産・出荷で工場の最大稼働
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2月:休業と段階的な復帰で生産能力の谷、回復に時間
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3〜6月:北半球の5〜9月需要に合わせ生産/出荷が集中
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8〜10月:ホリデー貨の出荷ピークで船積み予約が難化
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出荷ピークが製造と消費の間に挟まり、全体の所要日数を押し上げる
工場リズム×海外需要×リスク(要約)
なぜ重要か:供給・需要・輸送の三層ピークが同時ではないため、見かけの余裕が落とし穴になります。
| 月 | 中国工場の状態 | 主なドライバー | 海外需要/イベント | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|
| 10〜11月 | 高 | ブラックフライデー/クリスマスの尻取り+翌春準備 | 西方ホリデー期 | スペース逼迫・海上運賃変動 |
| 12〜1月 | 最高 | 春節前の駆け込み生産/出荷 | 春の初回出荷が在途 | 残業増で品質ばらつき・停工直前の混雑 |
| 2月 | 低→回復 | 春節休業/段階的な復帰 | 見積もりをメインとする | 復帰が不均一・能力回復に時間 |
| 3〜6月 | 高 | 春夏物の集中的な生産/出荷 | 米欧の5〜9月需要 | リードタイム/スペース逼迫(特に4〜6月) |
| 7月 | 中 | 補充/販促向け | 米国 月間ピーク級 | 高温・内陸輸送の不安定 |
| 8〜9月 | 中→高 | 国慶/ハロウィン/クリスマス前補充 | 休日備蓄の開始 | 輸出ピーク再来・スペース配分の圧力 |
中国側の生産混雑(10〜1月/3〜6月)
春節前の駆け込みと春節後の巻き返しで二山を形成。印刷/研磨/コア発泡などボトルネック工程の待ち行列が伸び、色替えと版替えで段取り時間が増えます。
輸出ピークと+2〜4週バッファの考え方
港混雑・ロールオーバー・搬入締切の前倒しに備え、出発予定日/到着予定日の双方に+2〜4週。フルコンテナ/混載でリスクが異なるため、品番の重要度でバッファ厚みを変えます。
フルコンテナ=一箱専有、混載=締切や遅延影響を受けやすい。
米市場:5〜9月売上、7月が高水準(年次差あり)
小売・ラウンド数は夏季ピーク。その分、製造/出荷は春に前倒しされ、3〜6月の出荷ピークを作ります。年により変動
✔ 正しい理解 — 物流ピークは消費ピークより先行します
米欧の販売旺季(5〜9月)に間に合わせるため、中国側の出荷ピークは3〜6月に来ます。輸出ピークが前段に来るため、リードタイムは見かけより長くなります。
✘ よくある誤解 — 店頭が夏なら春に発注で間に合う
春の発注では出荷ピークに重なり、ロールオーバーや搬入締切の前倒しで2〜4週遅延しやすくなります。
春節前後に“いつ”発注・校了すべき?(逆算タイムライン)
目標店頭日から逆算。標準製造15〜45日に、ピーク時は輸送+2〜4週。第4四半期末校了→1〜2月の発注書→初品承認 3〜7日→3〜4月量産→4〜5月出港で初夏到着を狙います。
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締切の定義:校了=量産可、搬入締切=港への搬入最終
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段階復帰の織込み:春節後は人員/歩留の段階回復
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包装前倒し:箱/スリーブは先行発注で版段取り短縮
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週次ロック:毎週ロットを確定、段積み生産で滑らせる
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2〜3+週前に船積み予約し、ルート分散
逆算タイムライン
なぜ重要か:各マイルストーンの担当と所要を明確にすると遅延の芽を初期に潰せます。
| マイルストーン | 目安スパン | 担当 |
|---|---|---|
| 図稿/包装の最終校了 | 0〜7日 | 買い手/工場 |
| 発注書/前払 | 0〜14日 | 買い手 |
| 初品承認 | 3〜7日 | 工場/品質管理 |
| 量産(構造別) | 15〜45日 | 工場 |
| 船積み予約(ピーク) | 出発予定日前 2〜3+週 | フォワーダー |
| 港搬入(搬入締切) | 港/船社で変動 | フォワーダー/トラック |
| 航海/到着/通関 | 2〜3週 | 船社/フォワーダー/税関 |
目標棚割り→船積み→通関→生産の逆算手順
店頭日から到着予定日→出発予定日→搬入締切→生産完了→初品承認→発注書→校了の順に後方展開。祝日前倒しを各所で反映。
搬入締切の2〜3+週間前に船積み予約
ピークは前広に。スペース確保とロールオーバー回避のため、複数船社の仮押さえも検討。
休業/復帰の“段階復帰”をガントチャートに反映
春節明けは全員同時復帰ではない。工数/歩留の回復カーブをガントチャートに可視化します。
2ピース/3・4ピース/ウレタンでリードタイムはどう変わる?
2ピース(サーリン):15〜25日、3ピース(サーリン):20〜35日、3/4ピース(ウレタン):25〜45+日。多色印刷・特色・ギフト箱は上乗せ。12〜1月/3〜6月は前倒し校正が必須です。
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構造が複雑ほど、コア/カバー/硬化の並列工程が増え日数が伸びる
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ウレタンは反応硬化/研磨で天候/湿度の影響も大
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印刷/包装は外注連携が多くボトルネック化
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仕様凍結が遅れるほど手戻りで日数増幅
構造×標準日数×ピーク加算
なぜ重要か:仕様選定段階で現実的な日程を引くための早見表です。
| 構造/素材 | 標準日数 | ピーク加算 | 追加要因(例) |
|---|---|---|---|
| 2層(サーリン) | 15〜25日 | +0〜10日 | 1〜2色印刷、標準箱 |
| 3層(サーリン) | 20〜35日 | +5〜10日 | 3色以上、艶/マット |
| 3/4層(ウレタン) | 25〜45+日 | +7〜14日 | 特色/多色、ギフト箱 |
| 付帯:包装/スリーブ | +5〜12日 | +3〜7日 | 箱先行で短縮可 |
パントン基準整合と硬化条件
パントン基準は早期に。ウレタンは温湿度/硬化時間を工場カレンダーに落とします。
梱包(箱/スリーブ)先行手配
包装は日数に大きく影響。図稿確定後に前払いで箱を先行し、ボール完成待ちの空転を防止。
多品番/大ロット時の段積み生産
品番を週次バッチに割り付け、同版まとめで段取り短縮。検査/梱包も並走。
✔ 正しい理解 — 梱包はリードタイムに大きく影響します
箱/スリーブのデザイン凍結と先行発注は、全体日数を5〜12日短縮し得ます。特に多色・箔押しはボトルネックになりやすい工程です。
✘ よくある誤解 — 梱包は最後に決めても大勢に影響なし
包装が遅れると出荷準備が止まり、搬入締切や混載の締切を逃す要因になります。
春節前“駆け込み”品質ブレをどう抑える?
初品承認→工程内検査→最終検査の頻度強化、箱の先行発注/前払い、週次ロック、重要ロットは第三者抜取。休業/再開日を契約で特定し、再開後の歩留/人員を共有します。
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初品承認の合否を48時間以内で回す体制
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合格品質水準/再検を契約化し、節前残業時のばらつきを是正
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第三者検品をハイリスクロットへ挿入
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遅延損害金/合意された補償で納期責任を明確化
品質管理ゲート×典型不良×ピーク時の効果
なぜ重要か:駆け込みで増える塗膜/印刷/重量公差を狙い撃ちで抑えます。
| 品質管理ゲート | 代表不良 | ピーク時の予防効果 |
|---|---|---|
| 初品承認 | 色差/ロゴ位置 | 版ずれ抑制、量産手戻り防止 |
| 工程内検査 | 塗膜ムラ/コア偏芯 | 残業時のばらつき検知 |
| 最終検査 | 表面傷/重量偏差 | 出荷前の仕上がり保証 |
合格品質水準の設定と再検フロー
重要品番は厳しめ、不合格時の再検日数を織込。
週次ロックの運用(毎週ロット確定)
ロットを週次で固定し、段積みで押し出し。遅延を局所化します。
契約条項(遅延損害金/合意された補償)
休業/再開の具体日、遅延損害金の計算式、検品立会/再検費用の負担を明記。
いつ・どれだけ前に船積み予約?バッファは何週必要?
3〜6月/8〜10月は出発予定日の2〜3+週前に船積み予約。ロット分割で港/船社分散。ピークは出発予定日/到着予定日に+2〜4週。搬入締切は祝日前倒しがあるため常時確認が必要です。
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スペース逼迫でロールオーバー増 → 前広予約
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代替港/サービスを事前に提示
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天候/内陸輸送も到着予定日に影響
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連絡手段で積み込み週の即時連絡網(写真・動画・船荷証券ドラフトの共有)
海上輸送プレイブック(時期帯|予約の前倒し|バッファ|代替策)
なぜ重要か:港/船社差と祝前変動を事前に数値で扱います。
| 時期帯 | 予約の前倒し | バッファ | 代替策 |
|---|---|---|---|
| 3〜6月 | 2〜3+週 | +2〜4週 | 船社/港分散、搬入締切の都度確認 |
| 8〜10月 | 2〜3+週 | +2〜4週 | 代替サービス確保 |
| 平常月 | 1〜2週 | +1〜2週 | 需要に応じ調整 |
注:値は計画レンジ(2025年時点)。港/船社/市況により変動。
代替サービス/港ルート
寧波/上海/厦門/深圳の切替プランを紙で持つと、判断が速くなります。
天候・内陸配送の影響
台風/豪雨/高温規制は内陸搬入を直撃。トラック手配を前広に。
積み込み週の連絡運用
写真/動画/船荷証券ドラフトを即時共有、例外承認もチャットで迅速化。
小〜中ロットを“納期優先”で通す最適手は?
週次バッチ予約/段階発注(40/40/20)/箱の前払い在庫化/二元調達。〜3,000球は6〜8週前の早決。地域別の最小発注数量を理解し、優先枠を確保します。
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週次枠の先約で段取りを押さえる
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前払い項目(箱/インク)でボトルネック先消化
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段階発注で資金と納期の両立
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発売厳守品番は二元調達でサージ対応
施策×最小発注数量の適合×コスト/効果
なぜ重要か:小口でも優先度を上げれば、優先顧客の波に飲まれません。
| 施策 | 適合する規模感 | コスト影響 | 期待効果 |
|---|---|---|---|
| 週次バッチ予約 | 1千〜1万球 | 低 | 枠確保/段取り短縮 |
| 段階発注(40/40/20) | 3千〜2万球 | 中 | 資金/納期の両立 |
| 箱の前払い在庫化 | 1千〜1万球 | 低〜中 | 包装待ちゼロ |
| 二元調達 | 年間1万球超 | 中〜高 | 需要急増/事業継続に強い |
中国のゴルフボール産地帯と典型的な最小発注数量
なぜ重要か:産地/構造で最小発注数量が変わり、小ロットの最適発注時期が見極めやすくなります。
| 産地エリア | 主力品目 | 典型的な最小発注数量 |
|---|---|---|
| 広東(東莞・深圳) | 練習球、2層サーリン;一部で3/4層ウレタン対応 | 3,000〜5,000 球/型 |
| 福建(厦門・漳州・泉州) | 入門2層サーリン、中位3層ウレタン | 5,000〜10,000 球/型 |
| 浙江(寧波・杭州・台州) | 2〜3層サーリン;一部3/4層ウレタン | 1,000〜3,000 球/型 |
週次枠の取り方と監査証跡
週次ロック表と版管理台帳で、優先枠の実在を証跡化。
前払い項目(箱/インク)の選定
納期クリティカルな包装系を先行清算し、手配を最短化。
二元調達の分割ロジック
需要平準/月次波形を見て6割/4割などに配分。相互予備版を保持。
✔ 正しい理解 — FOBでも船積み予約は買い手/フォワーダーが主導
FOB条件では通常、船積みスペースの確保は買い手側のフォワーダーが行います。工場任せにせず、2〜3+週前の前広予約を徹底します。
✘ よくある誤解 — FOBなら工場が自動でスペース確保
祝日前倒しやロールオーバーの責任境界が曖昧になり、遅延の温床になります。
FAQ
いつ発注すれば5〜9月販売に間に合う?
第4四半期末に図稿/包装を校了、1〜2月に発注書/前払、3〜4月量産→4〜5月出港が目安です。
販売棚割りから逆算し、製造15〜45日にピークの+2〜4週を上乗せします。小口でも6〜8週前の早決が有効です。春節後の段階復帰をガントチャートに織込み、包装は先行手配します。
春節/出荷ピークのバッファは何週?
出発予定日/到着予定日に+2〜4週を計画値として上乗せします。
3〜6月/8〜10月は港混雑・搬入締切の前倒し・ロールオーバーが発生しやすく、天候/内陸輸送の遅延も重なります。重要品番は港/船社の分散で備えてください。
2ピースとウレタンで製造日数は?
2ピース(サーリン)は15〜25日、3/4ピース(ウレタン)は25〜45+日が基準です。
ウレタンは硬化/研磨に時間を要し、温湿度の影響も受けます。印刷多色・特色、ギフト箱でさらに上乗せ。12〜1月/3〜6月は前倒しの初品承認が必須です。
小ロットを遅延させない実務は?
週次ロック/前払い箱/段階発注/二元調達で優先枠を確保します。
1,000〜3,000球でも2か月前の早決と包装の先行手配で段取り時間を削減。版・色のまとめ打ちで段積み生産し、優先顧客の波に飲まれない枠取りを行います。
搬入締切前の船積み予約はいつ?
ピークは出発予定日の2〜3+週前が安全域です。
祝日前倒しが起きやすく、港/船社で締切が異なります。代替サービス/港の準備計画を事前に用意し、積み込み週は連絡手段で状況を可視化します。
春節前の品質ブレ対策は?
初品承認→工程内検査→最終検査の三段で頻度強化+第三者抜取を要所に。
残業局面でばらつきが増えるため、合格品質水準を厳しめに設定。再検日数/費用分担を契約で明文化。箱を先行発注して包装待ちの空転を回避します。
二元調達はいつ検討?
年間1万球超や発売厳守の品番で検討価値が高いです。
比率を6割/4割などに配分し、相互予備版/色チップを保持。港/船社も分散し、ピーク時の急増需要に強くします。
発注書/入金は校了のどのタイミング?
校了後0〜14日以内が目安、春向けは1〜2月の発注が無難です。
初品承認を3〜7日で回し、量産へ直結。包装は前払いで先行し、搬入締切に遅れない体制を作ります。
まとめ
本当の繁忙は10〜1月と3〜6月の二波です。製造15〜45日に対し、ピークで+2〜4週の輸送バッファを積み、週次ロック/段積み生産/包装先行で遅延を吸収します。逆算タイムラインと前広の船積み予約、そして品質管理ゲートの強化が、繁忙期でも“納期通り”を実現する近道です。必要に応じて、最小発注数量と地域特性を踏まえた二元調達も検討してください。
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