ゴルフボールの2ピースと3ピースの違いと仕入れポイント

2ピースと3ピース構造のゴルフボール試作品をデジタルノギスで測定し、コア層の厚みを比較検査する工程

結論ゴルフボールは「距離重視なら2ピース」「スピン・打感重視なら3ピース」。用途・コスト・納期で最適化を。
Surlyn(イオノマー)=低スピン・高耐久/PU(ウレタン)=高スピン・高付加価値
・参考納期:中国10〜20日/日本15〜30日(1,000球・2025年10月時点)

2ピースは飛距離と耐久性、3ピースはスピン性能と打感が強みです。
本記事では、構造と性能の違いに加え、日中OEMの価格・納期差品質検査(AQL)ロゴ印刷仕様までをB2B視点で整理。
さらに、塗装・印刷の歩留まりインコタームズ(FOB/DDP/CIF)×輸送モード(海・空)の判断基準もわかりやすく解説します。

2ピースと3ピースゴルフボールの基本構造とは?

2ピースは「大芯+カバー」の2層、3ピースは「大芯+マントル+カバー」の3層。カバー素材は Surlyn(イオノマー) と PU(ウレタン)が主流です。
市場では「イオノマー=距離系(ディスタンスボール)/ウレタン=スピン系」として広く区分されます。

2ピースは高反発合成ゴムの大芯+イオノマーのシンプル構造で、耐切れ・低スピン・低コストが特徴。練習球や距離型の主力です。

3ピースは大芯+マントル+カバーで設計自由度が広く、イオノマーなら直進性と耐久を保ちながら打感をやや軟化ウレタンならグリーン周りの高スピンと柔らかい打感競技用に適します。いずれもUSGA/R&Aの重量・直径・球速上限・対称性に適合する範囲で最適化されます。

層構成/カバー材質(イオノマー/ウレタン)/用途/コスト/打感(コンプレッション)

前提:EXW・白球・ロゴ/輸送別1,000球想定2025年10月現在参考レンジ(公開OEM+見積+社内実測)。有効期限再見積トリガー(為替±5・ウレタン歩留まり±3%)を設定。

種別 層構成 カバー材質 主用途 打感 参考コスト(¥/球, EXW)
2ピース 大芯+カバー イオノマー 練習・量産打撃・距離重視 硬め(高コンプレッション傾向) 75–150(中国)/135–240(日本)
3ピース(イオノマー) 大芯+マントル+カバー イオノマー 日常~アマ競技 中(中~低コンプレッションも可) 150–270(中国)/210–330(日本)
3ピース(ウレタン) 大芯+マントル+カバー ウレタン 競技・高級ギフト 柔らか(中~低コンプレッション) 270–360(中国)/360–540(日本)

✔ 正しい理解 — 性能の優先度は素材>製法>設計(圧縮/マントル)

層数だけでは性能は決まりません。イオノマーは距離系(ディスタンスボール)、ウレタンはスピン系として最適化されます。ウレタン採用や高外観塗装は+¥30–¥90/球・+3–5営業日になる場合があります(1,000球目安)。

✘ よくある誤解 — 「層が多いほど高性能・高価格」

価格と性能を支配するのはカバー素材・塗装/固化プロセス・良率(歩留まり)です。3層イオノマーは低スピン寄りのまま、2層でも圧縮調整で打感を軟化できます。意思決定は想定ヘッドスピードと用途に合わせて行ってください。

性能面での違い(飛距離・スピン・打感・耐久)

飛距離=2ピース≥3ピース(イオノマー)≥3ピース(ウレタン)、スピン/制球=3ピース(ウレタン)≫3ピース(イオノマー)>2ピース、打感=ウレタンが最も柔らかい、耐久=イオノマーが強い。同価格帯比較の一般傾向

2ピースは低スピン・高初速でキャリーと総距離の伸びに優れ、カバーは摩耗/カット耐性が高いです。3ピース(ウレタン)はカバー摩擦係数+変形ウインドウにより、50yd前後で高スピンを実現。3ピース(イオノマー)は直進性を保ちつつ適度なスピンを付与し、打感も中庸。

コンプレッション(圧縮)初速/打感のバランスを左右します。低圧縮は中低ヘッドスピードで初速を出しやすい一方、高初速帯ではエネルギーロスが増えることも。量産前にCT値50ydスピン打音を同一治具で比較検証しましょう。

✔ 正しい理解 — 低コンプレッションは中低ヘッドスピード帯で効きやすい

HS 32–38 m/sでは初速が乗りやすく+3〜5ydの伸びが出る一方、HS 45 m/s超ではエネルギーロスで−2〜4ydになる場合があります(同価格帯・同条件)。

✘ よくある誤解 — 「低コンプレッション=誰でも必ず飛ぶ」

最適はヘッドスピード×打出角×回転数の組合せで決まり、素材(イオノマー/ウレタン)と設計の影響が大きいです。

2ピースと3ピースのゴルフボール性能を距離・スピン・打感・耐久性で比較分析する品質評価テスト

項目 2ピース(イオノマー) 3ピース(イオノマー) 3ピース(ウレタン)
飛距離 遠い 遠い 中~やや短い
ドライバー回転 低–中
50ydスピン 高(優位)
打感・打音 硬め 柔らか
耐久(カバー摩耗) 中(擦過に弱い)
価格帯(EXW)

用途・プレーヤー層別の推奨モデル

初心者/練習場=2ピース、女性/中級=3ピース(イオノマー)、上級/競技/ギフト=3ピース(ウレタン)が基本線。(同価格帯比較の一般傾向

  • 初心者・高ハンデ・練習場2ピース(イオノマー)。ロスト前提でもコストと耐久で優位。直進性が高く、ミスヒット時のスライス増加を抑えやすい設計が可能。

  • 女性・中低ヘッドスピード・中級3ピース(イオノマー)。直進性を保ちつつ打感を軟化。マントルでロング低スピン/ショート適度スピンを両立。低コンプレッションは冬季や寒冷地でも好相性。

  • 上級・競技・高級ギフト3ピース(ウレタン)。グリーン周りの止まりフィールを最優先。鋳造ウレタンは塗装/印刷の歩留まりに敏感なため、試作→小ロット→本生産の段階設計が安全。外観ランク再塗装ルールは事前合意が必須。

価格と原価構成の違い(層数・材質・製法)

コストは「層数増」「鋳造ウレタン」「塗装/検査の歩留まり」で上昇。日中差は労務・自動化・ラインタクト・外観基準**が主因です。
※前提同一(上記の価格表に準拠)

研究者がモニター上で2ピースと3ピース構造のゴルフボールOEM生産コストを比較分析するグラフを確認している様子

種類 中国(¥/球, EXW) 日本(¥/球, EXW) 主因
2ピース(イオノマー) 75–150 135–240 労務費・自動化率・ラインタクト
3ピース(イオノマー) 150–270 210–330 工程増(マントル/塗装)
3ピース(ウレタン) 270–360 360–540 固化/熟成・外観歩留まり

為替感応度:USD/JPY 145–155の±5で総額は概ね±3%変動。ロゴ色数/位置は段取り回数に直結し、2色以内+対称配置がコスパ良好。

日本製と中国製の品質・納期の差

中国=量産・短納期・SKU柔軟/日本=外観基準と安定性に強み。
※前提同一(上記の価格表に準拠)

種類 中国(1,000球) 日本(1,000球)
2ピース(イオノマー) 10–15日 15–20日
3ピース(イオノマー) 12–18日 18–25日
3ピース(ウレタン) 15–20日 20–30日

ゴルフボール工場の生産工程を化合・成形・コーティング・印刷・検査・出荷に分けたガントチャートで進捗管理する様子

日本は外観検査(オレンジピール/気泡/インキの鋸歯(ギザ))が厳格で、SPC・自動選別により寸法/重量の安定で優位。中国はトップ工場で性能差は小さくコスト/納期/多SKUで優位。

インコタームズ×輸送FOB海運=最安/長納期、DDP空運=最速/高コスト、CIF海運=保険/港費の扱いに注意。販売開始日から逆算し、総コストとリードタイムで選択します。

仕入れ時に確認すべき品質検査ポイント

AQLに基づく受入/工程内の二層管理が有効。構造(層/同心度)・寸法/重量・反発(CT値)・印刷密着・塗装硬度・外観を定点で確認します。
※前提同一(上記の価格表に準拠)

検査項目(キーワード:AQL/CT値/コンプレッション) 基準/目安 頻度 測定法/治具
構造/同心度 層数一致・偏芯低 受入/ロット毎 X線/ランダム切断
直径/重量 規格範囲内(USGA/R&A) 受入/工程内 デジタルゲージ/重量計
反発/CT値 設計範囲内 量産/週次 反発試験/CTゲージ
50ydスピン 設計±公差 量産/月次 ロボ/計測器
印刷密着 百格0–1級 受入/ロット毎 百格+アルコール擦拭
塗装硬度/外観 鉛筆硬度/外観ランク 受入/全数外観 硬度試験/標準板比較

例:外観 AQL Maj2.5 / Min4.0(案件協定を基準に調整)

耐久試験アイアンフェース擦過タンブラー(砂入れ)5–10分を追加。判定基準は写真標準板で合意し、NG戻し/再塗装/減額の優先順位を契約書に明記します。

OEM・ロゴ印刷の仕様と注意点

量産の安定解はパッド印刷+トップクリアUV直印少量多色/写真表現に適すが、下地処理とクリア品質で耐久が大きく変動。ウレタン溶剤/表面エネルギー/乾燥曲線に高感度。
※前提同一(上記の価格表に準拠)

推奨早見表(用途/色数/耐久/歩留まり)

カバー×方式 用途適合 色数 耐久 歩留まり
イオノマー × パッド+クリア 量産・販促・ギフト ~2色推奨
イオノマー × UV直印+下地/クリア 少量多色・写真 ~フルカラー
ウレタン × パッド+クリア 競技・ギフト ~2色推奨 中–高(管理次第)
ウレタン × UV直印+下地/クリア 少量多色・限定品 フルカラー 中–低(条件依存) 低(条件厳格)

ゴルフボールに企業ロゴをパッド印刷機で名入れ加工するOEM生産ラインの印刷工程

日本国内調達が向くケースと中国輸入が向くケース

意思決定フロー(数量→納期→カスタム度→予算)で早く正確に分岐できます。
※前提同一(上記の価格表に準拠)

  • 日本調達が有利:大会/高級ギフト、外観欠陥ゼロ志向、越境リスク回避、日系大手との共同開発(特配ウレタン/特殊塗装)

  • 中国輸入が有利コスト/短納期/多SKU、イオノマー~一般ウレタンの汎用量産UV個性化/販促

  • インコタームズ×輸送FOB海運=最安/長納期、DDP空運=最速/高コスト、CIF海運=保険/港費の扱いに注意。販売開始日から逆算し選択。

✔ 正しい理解 — CIFは仕向港まで、通関・内陸配送は買手負担

CIF海運は海上保険/本船費込みでも、港費/通関/国内配送は別途。DDP空運は関税・VAT込みで確実だがコスト高・容量制約があります。

✘ よくある誤解 — 「CIF=ドアツードア」

販売開始日から逆算し、FOB海運=最安/長納期DDP空運=最速/高コストCIF海運=港以降は買手手配で使い分けましょう。

主要中国OEMメーカーリスト

出典レイヤー:公開情報+直近見積聴取(2025年10月現在)。有効期限と再見積トリガー(為替±5・ウレタン歩留まり±3%)を併記。

工場名 所在地 主力 MOQ
Hangzhou Grasbird 浙江・杭州 2ピース(イオノマー)中心、3ピースも可 3,000球~
Ningbo Golfara 浙江・寧波 2/3/4ピース(含ウレタン)のOEM 1,000球~
MLG Sports 福建・厦門 2/3ピース(イオノマー/ウレタン) 2,000球~
Shenzhen Xinjintian 広東・深圳 2/3/4ピース、自社金型/生産ライン 2,000球~
Chengsheng Golf 福建・厦門 2ピース(イオノマー)/3ピース(ウレタン) 2,000球~

FAQ

2ピースと3ピース、総距離に有利なのは?

同価格帯では2ピースが低スピン・高初速で総距離に有利。 一方で3ピース(ウレタン)はグリーン周りの制動力が強み。CT値/50ydスピンを同条件で比較し、ターゲット速度帯に合わせて選定します。

ヘッドスピードが遅めの最適解は?

低コンプレッションの3ピース(イオノマー)を第一候補、次に柔らかい2ピース。 打感を軟化しつつ初速を確保。ウレタンは価格と耐久のハードルがあるため、用途と単価許容で判断。

UV直印とパッド印刷の使い分けは?

量産安定性と耐摩耗=パッド+クリア、表現力と小ロット=UV直印。 UVは下地+UVクリアの品質依存。競技/長期使用はパッドが堅実です。

中国製と日本製の品質差は?

USGA/R&A適合は前提。差は外観基準・安定性・納期柔軟性に現れる。 日本は外観/SPCが厳格、中国のトップ工場は性能で拮抗。FOB/EXW/DDP/CIF×海/空で総コスト/納期が変動します。

関税・HSコード・港費はどの程度見込むべき?

HSコードは国/仕様で異なるため事前確認が必須。 CIFは保険や港費の扱いが国/港で変動、DDPは関税/VAT込みで確実だがコスト高。FOBは港費/通関を買手側で管理。HS税番は事前/事後で判定が違う場合があるため、輸入者は税関へ事前教示(事前照会)を行うことを推奨します。

価格が変動する主因は?

為替・材料費(イオノマー/ウレタン)・塗装歩留まり・ロゴ仕様・輸送条件(インコタームズ/モード)。 発注書に条件と再見積トリガー(為替±5・ウレタン歩留まり±3%)を明記してください。

2ピースと3ピースの仕入れ判断まとめ

練習・距離・低コスト=2ピース、制球・高付加価値=3ピース(イオノマー=中庸/ウレタン=競技)。数量・納期・外観要求で仕入れ先を最適化します。

  • 構造/素材:2ピース=大芯+イオノマー、3ピース=大芯+マントル+イオノマー/ウレタン

  • 性能:距離/耐久=イオノマー、スピン/打感=ウレタンコンプレッションで体感を微調整。

  • 価格/納期(2025年10月現在):2ピース<3ピース(イオノマー)<3ピース(ウレタン)。中国10–20日/日本15–30日

  • 品質AQL票+CT値/50ydスピンで合否を定義。外観基準/再塗装ルールを契約に明記。

  • OEM印刷:量産はパッド+クリアが安定。UV直印は少量多色/写真向け。

  • 物流/条件FOB海運=最安/長納期、DDP空運=最速/高コスト、CIF海運=保険/港費を精査。販売開始から逆算して選択。

まとめ

本稿は、構造(2ピース/3ピース・イオノマー/ウレタン)性能序列(同価格帯比較の一般傾向)価格/納期の前提と時点(2025年10月現在)AQL/CT値を軸とした品質検査印刷量産性早見表FOB・DDP・CIF×海/空の実務判断までを一体で整理しました。最短の進め方は、①ターゲットと用途の明確化→②必要性能をCT値/コンプレッション/50ydスピンで数値化→③仕入れ先を日本=外観安定/協業中国=コスト/納期/多SKUで使い分ける、という手順です。

あわせて読みたい — 中国からゴルフボールを輸入する方法|手順・コスト・注意点を解説

この投稿をシェアする

ソン・ペンタオ

こんにちは、Golfaraの**宋 澎涛(ソン・ペンタオ)**です。このブログでは、ゴルフボールメーカーとしての経験をもとに、業界のちょっとした裏話や役立つ情報をわかりやすくご紹介しています。ぜひ、リラックスしながら読んでいただけたら嬉しいです。

ご質問はございますか?

12時間以内にご連絡いたします

見積のご依頼

見積のご依頼