韓国VS 中国:ゴルフボールの製造委託はどちらが有利?

中国製と韓国製ゴルフボールの表面仕上げを比較したサンプル

結論:2025年10月時点(WITS 2023確報・2024推計)。中国=年産3.6–4.1億個/輸出約2.9億個、韓国=0.6–0.8億個/輸出5,100–5,300万個。1球コストは中国¥20–31・韓国¥37–56、標準納期は中国10–20日・韓国15–30日。数量・コスト重視は中国、外観一貫・多層PU重視は韓国が適。

中国と韓国ではゴルフボールの生産量・輸出はどう違う?

【直答】2024年推計では、中国が年間3.6–4.1億個生産・約2.9億個輸出、韓国は0.6–0.8億個生産・5,100–5,300万個輸出。仕向地はいずれも米国・日本・EUが主で、数量は中国優位、平均単価は韓国寄りです。(2023年確報:中国の輸出数量2.861億個、主な相手=米・韓・日など)

主要仕向地の共通点と違い(米国・日本・EU)

米国・日本・EUが共通の大口仕向地ですが、構成はやや異なります。中国→米国/韓国/日本への数量が厚く、韓国→米国/日本中高単価レンジの比重が高い傾向です(2023年:韓国発は米国約4,240万個、日本約553万個)。

日本の中国/韓国からの輸入実績(数量・金額の対比)

2023年のWITSベースでは、日本は中国・韓国の双方から一定量を調達。数量は中国が多く、平均単価は韓国が相対的に高めです(中国→日本 約1,614.8万個相当、韓国→日本 約553.2万個)。2024年は為替・需要が落ち込まずとみられ、小幅増〜横ばいの推計が妥当です。

数量主導 vs 付加価値主導という構造

数量・SKU多様性・短納期は中国の強み、外観一貫性・多層PUの安定性は韓国の強み。ブランドの基幹ラインは韓国、販促・練習・カラー展開は中国が適性です。

要約表|年産・輸出・タイプ(2024年は推計・2023年は確報参照)

国/地域 年産(推計) 輸出量(推計) 2023年輸出数量(確報) 主要仕向地 主タイプ
中国 3.6–4.1億個 ≈2.9億個 2.861億個 米・韓・EU・日 2ピース Surlyn中心、3ピースPUも一部
韓国 0.6–0.8億個 5,100–5,300万個 (韓国発→米4,240万個/日553万個等) 米・日・豪・英・EU 3ピース/多層(PU含む)

(出典:WITS/UN Comtrade 2023年確報。2024年は為替・需要動向からの推計。)

✔ 正しい理解 — 関税は0%でも輸入消費税10%が必要です

HS 9506.32(ゴルフボール)は日本関税率0%ですが、課税標準(CIF等)に対して消費税10%が課税されます。実務ではここを見落とすと合計見積がブレます。

✘ よくある誤解 — 「関税0%なら税金はゼロ」

消費税10%は別途必要です。課税事業者であれば仕入税額控除の対象になり得ます。

輸出用ゴルフボールの外観を検査する工場スタッフ

中国と韓国の強み・得意分野は?

【直答】中国=コスト・短納期・小ロット・2ピース/練習球が強い。韓国=外観一貫性・塗装・多層/PUで中高級帯が安定。ブランドの基幹ラインや厳格QAは韓国、カラー展開や多SKU同時立上げは中国が向きます。

量産工程の差(研磨/塗装/印刷の歩留まり)

韓国は塗装/色差/スプレー安定が高く、リテイク率が低い傾向。中国は治具切替と段取りが速く、並列ラインSKUを平行投入しやすいのが利点です。

多層PUの安定性とスピン再現性

3層以上のPUカバーは、スピン/打感の再現に影響。韓国は中高級帯の歩留まりが高く、外観NGの低減に寄与します。中国でも対応可能ですが、色差や塗膜均一性の要求が厳しい案件は韓国優位。

小ロット・多色印刷・特殊包装のハンドリング

小ロット(≤3,000球)・多色/両面印刷・ギフト箱中国の柔軟性が高い。短納期×多SKUのキャンペーンには適します。

比較表|仕様×得意国×注意点×交渉ポイント

仕様/用途 得意国 主要メリット 注意点 交渉ポイント
2ピース Surlyn/販促・練習 中国 低コスト・短納期 色差・重量ばらつきは工場差 版代共有・並列SKU
3層以上PU/ブランド 韓国 外観一貫・スピン安定 単価高・納期長め 塗料ロット固定・ΔE基準
多色印刷・特殊包装 中国 小ロット対応 印刷歩留まりの管理 校正→量産トンボ

製造・印刷・包装コストはどこまで違う?(到着“1球”あたり目安)

【直答】2ピース Surlyn(中国)=約¥20–31/球、3ピースPU(韓国)=約¥37–56/球。印刷は中国¥3–6、韓国¥5–9、包装(白箱基準)は中国¥2.5–3.5、韓国¥3–5/球が目安です。

材料・人件費・電力・治具の内訳比較

韓国は最低賃金が2024年に時給9,860KRW産業用電力は2024年10月に平均9.7%引上げ(大口182.7KRW/kWh水準)。中国の事業用電力は0.79CNY/kWh前後(2025/3参考)で地域差あり。固定費と人件費比重が高い多層PUは、韓国が総コスト高になりやすい構造です。

多色/両面/保護コートの追加コスト

印刷色数や両面、マット保護コート+¥1–4/球の加算が目安。色再現を厳密に管理する場合、インキ指定と硬化条件の固定が有効です。

量産レンジ別の損益分岐と見積りの読み方

3,000球では版代・治具の影響が相対的に大きいため、治具共有(同サイズ・同ロゴ)が単価最適化に有効。12,000球以上では設定費の希釈効果が大きく、韓国の多層PUでも相場最適化が進みます。

コスト内訳(到着“1球”目安)

構成 中国:2ピース Surlyn 韓国:3ピースPU
材料 ¥14–20 ¥24–35
人工 ¥3–6 ¥8–12
電力/燃気 ¥0.5–1 ¥1–2
治具・金型 ¥1–2 ¥2–4
品検/耗材 ¥1–2 ¥2–3
合計/球 ¥20–31 ¥37–56

中国と韓国におけるゴルフボール製造コスト構成の比較グラフ

✔ 正しい理解 — 関税は0%でも輸入消費税10%が必要です

HS 9506.32(ゴルフボール)は日本関税率0%ですが、課税標準(CIF等)に対して消費税10%が課税されます。実務ではここを見落とすと合計見積がブレます。

✘ よくある誤解 — 「関税0%なら税金はゼロ」

消費税10%は別途必要です。課税事業者であれば仕入税額控除の対象になり得ます。

補足:HS9506.32(ゴルフ用の球)。税率確認は財務省「関税率表」の最新掲載を参照。

納期と小ロット対応力に違いはある?(3,000球例)

【直答】中国10–20日(急ぎ7–10日、韓国15–30日(急ぎ10–15日が一般的。ピークは中国3–6月/8–10月、韓国3–6月/9–11月小ロット・複数SKU同時立ち上げは中国優位です。

版代・治具共有での立ち上げ短縮

同一ロゴ/サイズ版・ジグ共有刷版待ち短縮片面1–2色に抑えると校正〜量産が早まります。

ピーク回避と前倒し発注の効用

ピーク月は塗装/印刷ラインがボトルネック前月までにPO+版代・色基準ロック枠確保が鉄則。

ロゴ再現(色差)とリテイク時間

ΔE基準、照明条件、測色器を事前合意。写真承認→出荷前抜取→到着後一次検査の三段構えでリテイク時間を最小化します。

中国製と韓国製ゴルフボールのパッケージ比較

2ピースと3ピースの品質差は?どの仕様で選ぶべき?

【直答】2ピース Surlynは耐久・コスパ重視で中国が得意、3層以上PU韓国が外観一貫性・スピン安定で優位。ツアー寄り=韓国、販促/練習/カラー=中国が基本線です。

寸法・重量ばらつき/塗装・色差の差

韓国は寸法/重量のばらつきがやや小さく、塗膜欠陥・色差も低減傾向。中国は優良工場の選定で4★水準まで到達可能です。

スピン/打感の再現性(多層構造の効果)

多層PUスピンの立ち上がりとグリーンサイドで差が出やすい。設計(コア/マントル/カバー硬度)が肝心で、PU=常に飛距離上位ではありません。

試作〜量産での検査項目(AQL、色差ΔE)

AQL、重量/直径、反発係数、ΔE、塗膜外観を明文化。NG判定→是正→再検査のフローをPO前に合意しましょう。

2ピースと3ピースゴルフボールの品質KPI比較グラフ

リスク対応・コミュニケーションはどう違う?

【直答】不具合時の再塗装・差替え韓国がやや迅速、仕様変更・追補生産中国が機動的。英語/日本語は両国対応可ですが、色差・表面欠陥の受容範囲は事前合意が必須です。

色基準(DIC/Pantone/塗料ロット)合意の重要性

色票・塗料ロット固定・硬化条件を定義し、照明/角度/測色器を合わせます。

写真承認→出荷前抜取→到着後一次検査の三段構え

写真承認(校正ロット)→AQL抜取(出荷前)→一次検査(入荷時)市場流出を防ぎます。

返修ラインと格納在庫の設計

返修ライン確保一時格納在庫差替えリードタイムを短縮。販促期の欠品を回避します。

✔ 正しい理解 — 関税は0%でも輸入消費税10%が必要です

HS 9506.32(ゴルフボール)は日本関税率0%ですが、課税標準(CIF等)に対して消費税10%が課税されます。実務ではここを見落とすと合計見積がブレます。

✘ よくある誤解 — 「関税0%なら税金はゼロ」

消費税10%は別途必要です。課税事業者であれば仕入税額控除の対象になり得ます。

まとめ:最適な製造委託先はどちら?

【直答】販促・練習・低〜中単価/短納期/小ロット→中国。ブランドライン・中高級・外観一貫性・多層PU→韓国。迷う場合は「二拠点同時試作3,000球」一致性・返修率を実査しましょう。

用途別の推奨(販促/レンジ/アマ中上級/ツアー系)

販促・レンジ・練習=中国2ピース、アマ中上級・ツアー寄り=韓国多層PUを基本に、ブランド方針納期で微調整。

数量レンジ別の最適(≤3,000/3,000–12,000/≥24,000)

≤3,000:中国優位(治具共有・段取り替え)。3,000–12,000:案件特性で二者択一。≥24,000:韓国でも単価最適化が進み、多層PUの優位が出ます。

二拠点ベンチ計画(同一ロゴ/塗装/インキ条件)

同一ロゴ/色基準/塗料ロット/硬化条件/測色器を固定し、ΔE×外観NG率×重量ばらつき数値比較返修率是正速度もKPIに含めます。

中国工場と韓国工場によるゴルフボール量産フロー図

FAQ

ロゴ印刷の最小ロットは?

【回答】中国は1,000–3,000球(最小300–500球も可)、韓国は500–1,000ダース(6,000–12,000球)が目安です。
中国は治具共有・段取り替えの柔軟性が高く、小ロットの促販・記念配布に適します。韓国は外観基準が厳格でライン段取り固定が多く、最低ロットが高めに出やすい傾向です(2025年10月の市場慣行ベース/要相見積)。needs_evidence: true

日本向けの関税・HSは?

【回答】HSは9506.32(ゴルフボール)
日本関税率は基本0%ですが、輸入消費税10%が課税されます。見積比較はCIF+関税・消費税の総額で判断してください。税率は財務省タリフ表の最新を確認しましょう。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

日本はどちらから多く輸入している?

【回答】数量は中国優位、平均単価は韓国が高めになりがちです。
2023年のWITS確報では、中国→日本が
約1,614万個、韓国→日本が約553万個。数量は中国が厚く、韓国は中高級帯単価差が出やすい構造です。2024年は横ばい〜小幅増**の推計。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

電力・人件費の差は価格に効く?

【回答】効きます。韓国は最低賃金9,860KRW/h(2024)に加え、産業用電力が2024/10に約9.7%引上げ大口182.7KRW/kWh水準へ。
多層PU・塗装固定費/人件費比重が高いため、単価差が出やすい工程です。中国の事業用電力は0.79CNY/kWh前後(2025/3参考)で、地域差に留意。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

急ぎ対応はどちらが有利?

【回答】3,000球なら中国の7–10日(条件付)が最短レンジです。
片面1–2色/既存版・既存治具/標準白箱などの条件を満たすと、段取り替え並列ラインで短縮が可能。韓国は10–15日が現実的で、外観基準に伴う検査工数*が効きます。needs_evidence: true*

色差・塗装の安定は?

【回答】韓国が一貫性で優位ΔE基準・塗料ロット固定・硬化条件の事前合意が鍵です。
塗膜欠陥・噴霧ムラ歩留まりの主要リスク。韓国は外観NGの低減が進んでいます。中国も上位工場であればΔE管理が可能ですが、色再現の再校正を織り込みましょう。needs_evidence: true

2ピースと3ピースのどちらを選ぶ?

【回答】販促・練習=2ピースSurlyn、中上級/ブランド/ツアー寄り=3層以上PUが目安です。
打感・スピン・耐久設計思想が異なるため、試打評価KPI(反発・スピン・ΔE)で選定しましょう。

ピーク時期は?回避策は?

【回答】ピークは中国3–6月/8–10月、韓国3–6月/9–11月
前月までのPO発行版代/色基準/排産枠の先行確保で、校正遅延→出荷遅延の連鎖を止められます。

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ソン・ペンタオ

こんにちは、Golfaraの**宋 澎涛(ソン・ペンタオ)**です。このブログでは、ゴルフボールメーカーとしての経験をもとに、業界のちょっとした裏話や役立つ情報をわかりやすくご紹介しています。ぜひ、リラックスしながら読んでいただけたら嬉しいです。

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