インドネシアVS中国:ゴルフボールの製造委託はどちらが有利?

インドネシア製と中国製のゴルフボールを比較したディンプル形状の違い

結論:2025年10月時点。小〜中ロットで短納期・多SKU・価格重視は中国、大ロットで多層ウレタンの一貫品質・ブランド要件重視はインドネシア。日本向けは数量・速度=中国、上位レンジの品質安定=インドネシアが優位。

結論:どちらが有利?用途別の即決マトリクス

小〜中ロットで短納期・多SKUや価格を重視するなら中国。大ロットで多層ウレタンの一貫品質やブランド背書きを求めるならインドネシア。日本向け2024実績ベースでも数量・速度は中国、上位レンジ品質の安定はインドネシアが強いです。

まず用途で方向づけし、見積りの往復を最小化します。

用途別推奨:販促・ギフト/D2C多SKU/量販PB(プライベートブランド)/競技系中〜上位

販促やギフト低単価×短納期が鍵で中国D2C多SKUや小刻み補充も中国が得意。量販PB(プライベートブランド)は価格と安定の両立で中国中心+一部インドネシアも候補。競技系中〜上位インドネシア(大手系ライン)で一貫品質。

リスク許容度別(遅延/色替え/段取り替えの柔軟性)

色替え・段取り替えの柔軟性や突発加急を重視するなら中国納期変動の小ささ工程統制を重視するならインドネシア

用途×条件の早見表(判断の初手)

用途 典型ロット 納期要求 品質要求 推奨産地 理由
販促・ギフト 1–5千 7–20日 外観/色安定 中国 段取り柔軟・小口対応
D2C多SKU 1–3千×多品種 7–25日 外観/色差低 中国 多SKU並行・加急可
量販PB(プライベートブランド) 1–5万 20–45日 均質/補充性 中国中心/補完:インドネシア コスト×安定のバランス
競技系中〜上位 1–5万 30–45日 殻厚/同心度/打感 インドネシア 大手系の一貫性

中国とインドネシアにおけるゴルフボールOEM生産の比較表

✔ 正しい理解 — 「安い=常に中国」ではありません

2ピースでは中国が優位ですが、3ピースPUなど上位レンジは価格差が縮小し、品質一貫性の観点でインドネシアを選ぶケースがあります。ロット/仕様/LTの組合せで最適地は変わります。

✘ よくある誤解 — 「人件費が低い国が必ず最安」

材料・段取り・歩留り・スケールで逆転します。総額比較は仕様前提の統一が必須です。

数量・輸出先:2024推算の供給力(中国は量・多方面、インドネシアは北米・欧州比重)

2024推算は中国が約2.9–3.05億個、インドネシアが約6,000–7,000万個。仕向は中国が米・韓・日・英など広域、インドネシアは米・独・加・日・豪が中心。日本向け数量は中国が優位です。(2025年10月時点/WITS-UN Comtrade 2023実績・2024推算)

日本の輸入(2023実績):中国1,585万個、インドネシア182万個(HS950632)

日本の数量実績では中国からの輸入が上位。2024見通しでも中国優位は継続。価格階層の厚みとSKU多様性が小口〜中口の需要に合致。(2025年10月時点/WITS-UN Comtrade)

球型分布:2/3ピースアイオノマー主体、インドネシアは上位レンジPUも一定

2ピース/3ピースのアイオノマーがボリューム中心。インドネシアは多層PU(ウレタン)の上位レンジが一定比率で、一貫性を評価するブランドとの親和性が高い。

供給・仕向けの比較(把握して発注計画に反映)

2023数量 主な相手国 2024推算 球型傾向
中国 2.86億 米/韓/日/英/他アジア 2.9–3.05億 2P/3Pアイオノマー中心、PU一部
インドネシア ≈6,000万(対米3,700万含) 米/独/加/日/豪 6,000–7,000万 2P/3Pアイオノマー+上位PU

中国とインドネシアの2024年ゴルフボール輸出量を比較したグラフ

コスト:単価帯・印刷・包装の比較(FOB/JPY, 2024相場)

2ピースは中国¥90–120/個、インドネシア¥95–130。3ピースPUは中国¥180–280、インドネシア¥200–320。印刷は人件費差でインドネシアがやや低いが、総額は2ピースで中国が有利、PUは拮抗〜インドネシアやや高の傾向です。(2025年10月時点/2024相場)

原価構成:材料・工賃・電力・歩留りの把握が前提

PBR/ZnAコア、ionomer(Surlyn)、PUなど材料構成の影響が大。電力・段取り歩留りも見積り差の源泉です。

2ピース(アイオノマー)— 製造コスト比較(FOB/不含印刷・包装)

コスト項目 中国 (¥/個) インドネシア (¥/個) 注意点
材料:PBR+ZnA 25–35 25–35 レシピ差で硬さ・反発が変動
材料:ionomer外殻 20–35 22–38 Surlyn等の配合・色数の影響
塗装/クリア 8–12 8–12 乾燥枠の確保がLT(リードタイム)に影響
人工 12–20 8–16 地場賃金差
電力 5–9 4–7 稼働率依存
ほか(型/損耗) 10–16 10–16 版・治具の転用
合計目安 90–140 90–135 材料・色で上下

3ピース(PUカバー)— 製造コスト比較(FOB/不含印刷・包装)

コスト項目 中国 (¥/個) インドネシア (¥/個) 注意点
材料:コア/中間層 35–55 35–55 圧縮レンジ設計
材料:PU外殻 55–95 60–110 殻厚均一化が難所
塗装/クリア 12–18 12–18 耐擦傷コート
人工 18–28 12–22 大手ラインの効率
電力・型等 14–22 13–21 乾燥炉×回転率
合計目安 160–255 165–263 PU価格感応度高

印刷・包装のコスト差(単色/単面の起点)

項目 中国 (¥/個) インドネシア (¥/個) メモ
パッド印刷(人件費) 4–8 3–6 人件費差
インク/溶剤ほか 2–4 2–4 色×面で線形上昇
版・治具償却 1–2 1–2 3–5千/セット分母化
包装(3球箱/PET/ギフト) 8–37 7–35 材料×工賃の組合せ

中国とインドネシアのゴルフボール製造コストを比較したグラフ

✔ 正しい理解 — 人件費が低くても総単価は逆転し得ます

総額は材料(ionomer/PU)、段取り回数、歩留り、スケールの影響が大きく、人件費だけでは決まりません。工程同時化や既存版の活用で人時を圧縮できます。

✘ よくある誤解 — 「国Aの方が人件費が安い=常に最安」

色数・面数・包装・検査頻度まで合わせたうえで国別比較を行いましょう。

納期・MOQ:短納期は中国、長単はインドネシア(季節要因に注意)

3,000球カスタムの標準は中国15–25日(条件合えば3–7日可)、インドネシア30–45日。MOQは中国1,000–3,000個が一般的、インドネシアは1–5万個で小口は制約が多め。季節ではラマダン/レバランと旧正月に注意が必要です。

季節ピーク:11–2月(中国)/3–5月・8–10月(インドネシア)

中国は旧正月(1–2月)前後、8–10月のQ4補充。インドネシアはラマダン〜レバラン(3–5月)と8–10月の欧米補充前が混みます。

低MOQの戦術:合版・在庫白無地(ブランク)活用・段取り同時化

既存版の転用在庫白無地の活用、色替えの同時化でLT短縮。多SKU同時段取りは中国が得意です。

納期・MOQの比較(計画時にまず確認)

標準LT 急行可否 一般的MOQ ピーク期 代表的対策
中国 15–25日 3–7日可 1–3千 11–2月/8–10月 在庫白無地・既存版
インドネシア 30–45日 限定的 1–5万 3–5月/8–10月 早期ブッキング

中国とインドネシアのゴルフボールOEM生産スケジュールを比較したカレンダー表

品質:2ピース量産安定は中国、PU多層の一貫性はインドネシア(大手系)

2ピースは中国の成熟工場が外観良率・色差・均一性で安定。PU多層はインドネシア(SRI/Srixon系)が殻厚・同心度・圧縮の一貫性に強み。価格対性能の中位帯は中国が堅実です。

試験項目:重量/円度/コンプレッション/反発/耐擦傷

重量円度コンプレッション反発外観耐擦傷を量産とサンプルで同一治具・同一条件で評価。

サンプル〜量産のゲージR&R管理

測定系のR&Rを確保し、量産移行のブレを可視化。規格下限・上限と検査頻度をPOに明記します。

品質KPIの整理(規格化で返品・再工の抑止)

試験 参考規格 目安 測定頻度 コメント
重量 ±0.5g 45.5±0.3g ロット毎 設備校正必須
円度/同心度 自社基準 0.1–0.2mm 抜取り 画像測定併用
コンプレッション 目標±3 80±3 ロット毎 ゲージR&R
反発/初速 自社基準 係数管理 抜取り 温湿度管理
外観/塗装 合否 擦傷0/色差ΔE管理 100%/抜取り 光源統一

中国とインドネシア製ゴルフボールの品質指標を比較したレーダーチャート

日本向け調達の実務:規格・関税・書類の差異と落とし穴

HSは9506.32(日本は9桁統計コード)。関税は0%でも輸入消費税10%がかかります。原産地・インボイス・梱包表示・日英併記などの体裁統一で通関/検品のトラブルを抑止。数量・スピードの観点では中国基軸が合理的です。

ラベリング・外装表記(日英併記/バーコード配置)

外装は材質・色数バーコード位置を統一。輸送箱表示ロット/数量/製造国を含め、内外装の整合をチェック。

✔ 正しい理解 — HS6桁は世界共通、日本は統計で9桁を併用します

ゴルフボールはHS9506.32。関税は0%ですが、課税標準(CIF等)に対して輸入消費税10%が課されます。コード表と税率表を最新化し、書類(インボイス/原産地/包装表示)を整合させましょう。

✘ よくある誤解 — 「HSは国ごとにバラバラ」

6桁は共通。日本は統計細分として9桁を使います。税務/通関は最新表の確認が必要です。

通関・書類の必須項目(やり直し防止の型)

書類 必須項目 責任者 提出時期 注意点
インボイス HS/単位/単価/原産 サプライヤー 出荷前 単位/通貨の整合
原産地証明 品目/原産国 サプライヤー 出荷前 FTA該当有無
パッキング 重量/容積/数量 サプライヤー 出荷前 SKU整合
表示/ラベル 材質/色数/言語 サプライヤー 量産前 日英併記
検査記録 KPI/頻度/結果 サプライヤー 出荷前/後 R&R記述

価格・納期の意思決定フロー(簡易計算機+ツリー)

「ロット×球型(2P/3P)×色数×面数×包装×要求LT(リードタイム)」を入力すると、国別レンジ見積と可否を即時表示。ギャップが大きい場合は仕様緩和(色→包装→LT→材質)または国再選で再計算します。

フローチャート:コスト重視→中国/品質重視→インドネシア→閾値超で国再選

まずはコスト優先なら中国品質一貫ならインドネシア納期閾値を超える場合は仕様緩和または国再選

仕様緩和の優先度:色数→包装→納期→材質

色数/面数の削減が最も効き、次に包装LT緩和でも吸収できないときに材質を見直します。

計算機ロジック(社内稟議テンプレに落とし込む)

入力 既定値例 出力 判断ルール
ロット 3,000 国別単価/総額 2Pは中国優位、PUは拮抗
球型 2P/3P 可否/最短LT 3P×短納期は中国寄り
色×面 1色×1面 印刷費 線形加算+治具償却
包装 3球箱等 包装費/梱包LT PET/ギフトはLT増
要求LT(リードタイム) 10–45日 急行/通常 3–7日急行は中国限定的

ゴルフボールOEM生産におけるコスト優先と品質優先の意思決定フロー図

FAQ

MOQはどのくらいから対応できますか?

中国は1,000–3,000個が一般的で在庫白無地や既存版の活用で柔軟です。インドネシアは1–5万個が目安で小口は制約が多いです。

販促やD2Cの小〜中ロットでは中国が現実的です。インドネシアは大手ライン主体のため最小ロットが高く、稼働率と段取り効率の制約が背景にあります。PBや競技系の長単ではインドネシアも検討価値があります。

見積り時の“色数・面数”は単価にどれくらい影響?

1色1面を起点に、色や面が増えるごとに線形で加算されます。治具費は数量で薄まり、低ロットでは単価への影響が相対的に大きくなります。

色×面の増加は人時×材料を押し上げ、乾燥枠の確保も必要です。5–10千個を超えると版・治具償却が相対的に薄まり、単価差が縮小します。逆に多色・多面×低ロットは単価上振れに注意。

2ピースと3ピース(PU)のコスト差と使い分けは?

2ピースは価格と量産安定が強み、3ピースPUはスピン・打感の上位レンジに適します。販促/PBは2P、競技寄りやブランド訴求は3Pが適合します。

2Pはionomer外殻で歩留りが安定しやすく、短納期に合います。3P(PU)は殻厚/同心度の管理が重要で、製造統制の強い工場に向きます。価格対性能なら中国の中位帯2P/3Pが堅実です。

短納期の最短は?

条件が揃えば中国で3–7営業日が現実的です(在庫白無地・既存版・シンプル包装)。インドネシアは急行枠が限定的です。

版転用並行段取り夜間乾燥の活用で短縮します。多色・ギフト箱は乾燥/梱包でLTが増えるため、色数/包装から緩和するのが近道。ピーク期は枠確保の事前予約が鍵です。

ピーク時の発注はいつまでに?

旧正月(中国)とラマダン〜レバラン(インドネシア)の4–6週間前までにPO確定が安全です。

中国は1–2月の休業で前倒し需要が重なり、インドネシアは3–5月に人員配置・稼働制約が出ます。8–10月は両国とも欧米補充で混雑。前倒し4–6週分納でリスクを下げます。

日本向けの関税やHSの確認方法は?

ゴルフボールはHS9506.32。関税0%でも輸入消費税10%がかかります。財務省の最新表と9桁統計コードで確認しましょう。

インボイスにはHS/単位/原産を明記し、原産地証明は提出前に二重確認。統計は発行元・期間を明示し、数量・金額の単位の整合を取ります。

品質検査はどの項目が必須?

重量・円度・コンプレッション・反発・外観が基本。測定系のR&Rと頻度をPO/QAシートに明記しましょう。

規格(目標±許容)頻度を定義し、サンプル=量産で同一治具・条件にします。ΔE色差耐擦傷も販促案件では効きます。可視化で返品/再工を抑制。

大手系は工程設計と計測が強く、長単・定番で真価を発揮。MOQやLTの柔軟性は相対的に低いため、計画的な補充が前提です。

原価が上がりやすい盲点は?

色数・面数・包装の追加、急行段取り、歩留り設定が主因。前提揃えと版・治具の共有で発散を抑えます。

仕様の前提(色×面、包装種、LT、検査頻度)を見積時に固定。既存版/在庫白無地共通治具を活用し、段取り同時化で人時と乾燥待ちを圧縮します。

まとめ

小〜中ロット・短納期・多SKUは中国大ロット・多層PUの一貫品質はインドネシアという役割分担です。日本向けはHS9506.32/関税0%・輸入消費税10%を前提に、色×面/包装/LTの前提をそろえて見積比較すると、判断が速くなります。

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ソン・ペンタオ

こんにちは、Golfaraの**宋 澎涛(ソン・ペンタオ)**です。このブログでは、ゴルフボールメーカーとしての経験をもとに、業界のちょっとした裏話や役立つ情報をわかりやすくご紹介しています。ぜひ、リラックスしながら読んでいただけたら嬉しいです。

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